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春風を蹴散らして
君の足音が響く 街の隅で
♪
夜明けの色を閉じ込めた
小さな花は人知れず
石段とせかいの隙間で
透明な朝を繰り返してるの
あの子を囲う花壇なんて窮屈そう
でも誰かに愛されてるのかな いいな
春風を蹴散らして
誰かわたしの輪郭を確かめてよ
その声も流されて みっともないわ
また夜を待つの 嗚呼
♪
来る日も花は一人きり
小鳥も猫も気づかずに
こんなに綺麗に咲いたのに
透明なままで枯れていくんでしょう
突然に響いた足音
紺色の制服が揺れる
覗き込んだその瞳は
花より甘い香りがしたの
真っ黒な瞳落っこちるような
「可愛いな。」
春風を蹴散らした
言葉がかじかんだ日々に赤を差して
誰かを待つ君がはしゃいで呼んだ
私と同じ名前
少し早く来た君があの子を待つ
繰り返す光景初めての感情
ある日神様の声がしたの
"10分間だけ、あなたを人にしてあげましょう。"
ああ君と同じ姿でいられるなら?
枯れそうなほど考えたけど
きっと
解いた黒髪が
響く鼓動と日差しの熱になびく
スカート整えて君を待つ
春風を蹴散らして
繋いだわたしの輪郭を確かめていく
君の居た時間はこんなに長く世界は甘く
春を待つの
また会える日まで嗚呼